衝撃吸収性能実験

アボネットシリーズはJARIとの共同開発の開始以降、新たな衝撃吸収性能の評価方法として頭部傷害基準(HIC)値[※1]を用いた方法を採用し、衝撃吸収性能を評価しています。 HIC値とは衝突や落下などの衝撃による脳や頭蓋骨への損傷程度を表す数値のことで、自動車の衝突時の乗員の安全性の評価、また子供が遊具から転落した際の遊び場の頭部保護基準値としても活用されています。

HIC値が2000となる衝撃が頭部に加わった場合、重傷以上の傷害[※2]が発生するリスク(以下、重傷リスク)は約100%となります(グラフ1参照)。 重傷リスク曲線が表すように、HIC値が低ければ低いほど重傷リスクも軽減されます。

アボネットシリーズでは、保護帽をかぶっていない状態でのHIC値が2000となるような条件に設定し、同条件下でabonet+JARIを装着した場合の試験を行い、そのHIC値を測定しました(グラフ2参照)。
実験ではabonet+JARIのHIC値は839.4。この結果より重傷リスクも同様に50%以下に抑えられると判断できます。

アボネットシリーズでは、そのリスクをどの程度緩和できるかの観点で衝撃吸収性性能を評価し、さらなる改良を進めております。

衝撃吸収性能の実験

グラフ1
重傷リスクとHICの関係性グラフ
グラフ2
保護帽をかぶっていない状態でのHIC値が2000となるような条件に設定しabonet+JARIのHIC値を測定

1 国際的には頭部に加わる「加速度の大きさ」に加えてその「持続時間」によってお頭部の損害リスクが変動することが明らかとなっており、それらを適切に考慮できる「頭部損害基準(HIC)値」が自動車衝突時における乗員の頭部の安全評価などでも採用。
2 重傷以上の傷害例:動脈損傷・大脳損傷・小脳損傷・脳幹損傷・脳内血腫・頭蓋骨骨折など

※ 注意:
HICの数値はあくまでも衝撃吸収性能の目安です。 アボネットは衝撃を緩和するものであり、すべての衝撃を100%吸収し完全に頭部を守るものではありません。 また、実験の結果は大人の頭部を模擬した人体ダミーを用いて、アボネットシリーズ(大人用)の性能を評価したものであり、 アボネットシリーズ(子供用)の性能につきましては、本結果からご類推願います。なお、アボネットシリーズ(大人用)と(子供用)の構造は同等です。

abonet+JARIは頭部の安全性を高めるために開発されてますが国家検定規格対象品ではありません。
「保護帽」の着用を義務付けられた場所や作業には使用しないで下さい。